2F フォトショップ・ルーム

[連載] ちょっとかしこいフォトショップ・テク 今回は最初ということで基本の、レベル補正の注意点を説明します。 なにか適当な画像ファイルを開いてください。 これを複製して、複製で作った画像にレベル補正を実行してください。 ここにヒストグラムが表示されますがその形は均一になっているでしょうか。 あるレベルが抜けていたり、クシのようにスカスカになっていたり、 歯抜けの状態になっていたらグラデーションがうまく つながっていないことを示します。(意図的なものはそれでいいんですが)    うまくつながっているとして、レベル補正の三角のつまみのどれかを 大きく動かしてOKを押して、濃度バランスのおもいっきりくずれた 失敗画像を作ってください。 もういちどレベル補正を実行して、 元の濃さに調節してからOKを押してください。 オリジナルの画像と複製の画像はどこがちがうでしょうか。 それぞれのヒストグラムを見れば一目瞭然です。 レベル補正をかけた方は、 クシのようにスカスカになっているとおもいます。    これが俗に言う「ビット落ち」です。 このようになってしまってはグラデーションがうまく再現できません。 ですから「補正は一発できめろ」といわれているんです。 ここまでは知識として覚えておいてほしいことです。 では、ここからが‘かしこいテク’になるんですけど、 こうなってしまった画像も、救う手がないわけではありません。 元のようにとまではいかないまでも、なんとかしたいときは、 シャープネス(解像度)をちょっとだけ犠牲にして 階調をとりもどしてやります。 実際の操作は、 解像度を1.3倍ぐらいに拡大して、また元のサイズに縮小して 最後にアンシャープマスクをかけてやります。 拡大、縮小のときは、「縦横比を固定」、「画像の再サンプル」にチェックを 入れておき、バイキュービック法で行ってください。 どうですか。だいぶヒストグラムの状態が良くなったと思います。 これくらいならグラデーションがなんとか再現できるようになりました。    このようにピクセルを補間するときに新しくトーンマッピングされるので 失われたレベルも生成されるのです。 シャープネスの劣化も最小限にとどめるために、 補正の必要がある場合はあらかじめ少し大きめの解像度で スキャンしておき補正の後、縮小のみで対応できるようにしておくと いいでしょう。 次回は、日陰で撮ったデジカメ画像にありがちな、「パッとしない」 ねむい画像を、補正コマンドを使わずに一発でメリハリを出す 「‘裏技’」を紹介したいと思います。 トーンカーブを使うより簡単でグラデーションも奇麗に出来上がります。
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