93F フォトショップ・ルーム
「ノイズを加える」 最近のデジタルカメラの普及にはものすごいものがありますね。 撮ったままの画像では、銀塩の画質にはとうてい及ばないものばかりですが、 この程度で十分だから普及しているのかと思うと、泣けてきます。 画質調整さえすれば、銀塩なんて軽く追い越してしまうのに、 ほんと、もったいなく思います。 とは言え、その画質調整の手間を考えると、それもどうかと・・・ では、どんな部分を調整すればいいのか? まずは、ダイナミックレンジ。 これは言わずと知れたレベル補正での、白を白く、黒を黒くです。 そしてガンマ。 トーンカーブで白を飛ばさずにハイライトを立たせたりする作業です。 それから、濃度に応じた彩度。 中間濃度に比べて、明るい部分や暗い部分では、彩度の限界が低くなります。 そのまま濃度を変えてしまうと色が浮いてくるんです。 ハイライト部に妙に色が乗ってしまう現象は、デジタル独特の嫌な画ですね。 これらの色調補正をするためには、画をよく観察して何度も経験して その積み重ねによって経験から勘どころをつかむ必要があります。 そして大きな違いであるのが粒状感。 上質な受光素子で撮影された画像は、非常にノイズの少ないきれいな 画像が得られます。 感度を下げて撮影されたものは特に気持ち悪いほどツルンとした画で、 多少ざらついていた方が自然に見えるのは、銀塩フィルムに 慣れてしまっているからかもしれませんね。 物は試しに、このきれいな画像にわずかにノイズを加えてみます。 すると、モニターで見ている段階では、あきらかに汚くなってしまいますが、 プリントしてみると、あら不思議。 ヌメッとした気持ち悪さが消えて、なんとなくかっちりした感じに プリントされるんです。 経験上のミニラボでの事ですので、 他の環境ではどうなるのかわかりませんので、悪しからず・・・