9[撮影編]4 ○「トーンをものにしよう」 〜イメージに合わせてセンスよく〜   デジタルでの調子の再現、ハイキー調とローキー調のテク、   クールカラーとウォームカラー、カメラマンのトーン、、、 「デジタルカメラを使いこなそう! Part42」 「トーンをものにしよう」 〜イメージに合わせてセンスよく〜 「デジタルでの調子の再現」 さて、光についてはひと通り終わりまして、 つづいてトーン(調子)についての項目に入っていこうと思います。 調子というのは、以前に出てきた写真の四つの要素の一つです。 「動機」「光」「調子」「構図」、おぼえているでしょうか。 調子のコントロールは、センスの良し悪しと言うより、 研究と学習により人それぞれの身についてくる方向性の要素です。 数多くの場を踏むことで、ある程度身についてきます。 でもこれが決まるとセンス良く見えるんですねぇ・・・ そのひとつに、色温度の操作があります。 デジタルカメラでは、ホワイトバランスという項目があり、 通常は自動になっています。 このホワイトバランスは、使いこなすまでは少々やっかいな存在で、 見た目とのギャップや補正具合をつかむまでは しょっちゅう振り回されました。 でも、ほぼ感覚をつかんだら強い武器になります。 マニュアル設定で自由自在に思うがまま。 写真の色温度を自由に操ることができて、場の印象である雰囲気や 自分なりの世界を演出するのにとても役にたちます。 現実どおりの色を忠実に再現することはとても難しいことで これがすべての基本ですからもちろん大切なことですが、 現実ではなく、自分の考えとか感動に対して忠実な再現をすることが ものづくりをする上では、より大切なことだと思っています。 でも、奇をてらった嘘っぱちな表現は、すぐに見破られてしまいますよ。 「デジタルカメラを使いこなそう! Part43」 「トーンをものにしよう」 〜イメージに合わせてセンスよく〜 「ハイキー調とローキー調のテク」 調子のコントロールには、色温度の他にもハイキー調やローキー調と言った 濃度操作による表現方法があります。 ハイキー調は、全体的に白っぽいものだという印象があると思いますが、 そう簡単な表現ではないんです。ただ単に薄くプリントしたものでは、 全然なっとらんものが出来てしまいます。 まずはイメージを先行させます。白、軽さ、清潔感、シンプル、まぶしさ、 そしてさらには、開放感、突き抜け感、自由などテーマが先行します。 従って、構図もシンプルにする必要があり、ソフトな被写体を選び 簡素で大柄な配置になります。このときに利用されるのが白飛びです。 ごちゃごちゃしたものは白く飛ばしてしまいます。 でも、主役素材のディテールは残しておかないと、何をしているのか わからなくなってしまいますのでご注意ください。 そして難しいのが黒の扱いです。 黒は力が強すぎて、テーマである白い部分を食ってしまうので その濃度をどれくらいのレベル値にもって行くかが重要です。 面積や形、シャープさで変わってくるので心地よい値を探します。 ローキー調は、ハイキー調の逆ってわけではありません。 やはりイメージ先行になりますが、2つのパターンがあります。 シャドウの中の豊な階調を見せるのか、 ローキーから飛び出した輝きを見せるのか、ということです。 イメージは、重厚さ、重さ、強さ、奥深さ、等を表して、 そしてさらに、真面目さ、品質、プロっぽさ、まで表現します。 従って、あまり小細工しない方が良く、正統的な作り込みになります。 質感を重視して、リアルな表現になるので、 解像力の高い機材選択やしっかりした構図が必要です。 で、ローキーにする為にはどうしたらいいか、どの部分に注意したら いいかは、2つのパターンを参考に各自考えてみてくださいネ。 「デジタルカメラを使いこなそう! Part44」 「トーンをものにしよう」 〜イメージに合わせてセンスよく〜 「クールカラーとウォームカラー」 じつはこの仕掛けは、カラーアナリシスというものから来ているのですが、 イメージ作りにも非常に有効なので、アレンジして使っているものです。 色にはそのベースとなる傾向が大きく分けて2つあります。 これは、色温度とも深く関わりがあり、 このベースとなっている色の傾向をアンダートーンと表現します。 クールカラーとは、色温度の高い色がベースとなっている色彩で、 ブルー系を基調としたもののことを言います。 イメージとしては、季節的には冬や、なぜか夏を表現しやすく、 冷たさ、涼しさ、すがすがしさ、冷静さ、スマートさにも結びつきます。 ウォームカラーはこの逆で、色温度の低い色がベースとなっている色彩で、 イエロー系を基調としたもののことを言います。 イメージとしては、季節的には春や、秋を表現しやすく、 こころや泥臭さと共に、温かみ、情熱、しぶさなどにも結びつきます。 どちらにしても、重要なことは、 これらのものは色そのものではなく、ベースとなる色だということ。 黄色はウォームカラーだというのは早とちりで、 同じ黄色でも、レモンイエローはクールカラーになり、 やまぶき色はウォームカラーだということをしっかりと理解してくださいね。 写真を撮る時に、モデルを使ったりしますが、この、人の肌の色も クールアンダートーンとウォームアンダートーンの人がいます。 この肌のベースになる色にあわせて、アクセサリーをゴールドにするのか、 シルバーにするのか判断するのにも、このベースの色で判断します。 当然、衣装や背景もトーンを統一することによって 全体の調和をとっていくことになります。 そして、そのトーンにふさわしい光質のライティングを当てれば 準備完了となります。 あとは好きなように崩して楽しんでくださいね。 「デジタルカメラを使いこなそう! Part45」 「トーンをものにしよう」 〜イメージに合わせてセンスよく〜 「カメラマンのトーン」 写真を撮る数を重ねていくと、自然にカメラマンのトーンというものが 出来上がってきます。これは、モノの見方が確立されてくると同時に 撮影のトレーニングにより潜在的なセンスが表に出てくるからです。 なかなか自分ではわからないものなのですが、 他人から見て、この写真は○○さんの撮った写真だなぁ、とか、 あなたに撮ってもらうと○○になるね、等と言われたことがありませんか。 ここで言う写真のイメージは、カタチや内容ではなくて、雰囲気のことです。 この雰囲気を左右するものがトーンであり、写真の調子です。 自分のトーンに気が付けば話は早い。 どんどんその部分を突き詰めていくだけなのです。 デジタルを使っていると、結構この部分のデフォルメがしやすいもので、 被写体の現実が自分のイメージと少しずれていたとしても、 色温度や彩度の設定次第で、自分の作品として撮影することができます。 さらに、各種のレタッチにより、かけ離れたものまで加工できます。 これを「良いか」「悪いか」と言うことではなく、 自分の作品をイメージ通りに仕上げる為の手段なのです。 カメラマンのトーンは、撮影者のセンスや性格、主張や考え方、 物事の見方などの撮影者フィルターを通して出力された作品に反映します。 すべてさらけ出すんだから、照れや恥ずかしさもあるけど、 開き直れば自信になります。 ここはひとつ、その辺のところ素直にやりましょうよ。 さて、今回で写真の四大要素のひとつ「調子」については終わりです。 次回からは、最期の要素「構図」についてやっていこうと思います。