10[撮影編]5 ○「構図はもっとも簡単なTips」 〜誰でも上達、構図のあれこれ〜   タテ位置なのかヨコ位置なのか、アングルも考えてみる、   空間とリズム、色とカタチのバランス感覚、動かない動き、   黄金比というもの、形で見るいろいろな構図、、、 「デジタルカメラを使いこなそう! Part46」 「構図はもっとも簡単なTips」 〜誰でも上達、構図のあれこれ〜 「タテ位置なのかヨコ位置なのか」 さて、今回からは構図についてですが、ここでは書物等で書かれている 一般的な構図とは別の角度から見たことも載せていきたいと思います。 一般的な構図なら本から学んでもらえばいいことですし、 今までに取り上げてきた内容を理解していれば、 けっして間違った構図の利用方法をしないことと思います。 もう言うまでもなく、構図の悪用は技術向上の妨げになり、 見かけ倒しの意味のない写真を作ってしまうことになります。 この構図についての解説を最後に持ってきた意味を理解していただき、 その辺、十分ご注意して作画をしてくださいね。 それでは今回のお題である、タテ位置とヨコ位置の決め方です。 基本的な決定方法は、主題を伝えるための適正な環境にあります。 簡単に言えば、テーマにとって奥行きを使って伝えた方が効果的なのか、 又は広がりを使って伝えた方が効果的なのかということです。 これは実はそんなに考えなくてもいいことなんです。 知らず知らずのうちに自分の体の一部が反応しているからです。 頭で考えるのでもなく、イメージをすることでもありません。 その体の一部とは、「視線」です。 被写体に対して、撮影動機が生まれたときに、 「視線」がどのように動いたかを意識していれば、気がつきます。 慣れてくると、視線の動きとカメラの構え方が瞬時に一致してきます。 たとえば、海岸の写真を撮るときに、 海の広さに感動していれば視線が横へ広がり、横位置に構えます。 空の高さに感動していれば視線が縦に広がり、縦位置に構えます。 相手が動くものならもっと簡単にわかるでしょ。 横に走っていけば・・・こちらに迫ってくれば・・・ 「デジタルカメラを使いこなそう! Part47」 「構図はもっとも簡単なTips」 〜誰でも上達、構図のあれこれ〜 「アングルも考えてみる」 さて、前回の縦か横かという画面の作り方が決まったら、 次はカメラアングルにも少し気を使ってみましょう。 カメラのアングルは、水平を基本として上に向けていくか、下に向けて いくかになります。 カメラを水平に構えると、縦横の水平線と垂直線が直角になり、 最も癖の無い自然な構成になります。 カメラを上へ向けていくと、垂直線が内側に傾き、 上方への遠近感が出てきます。 逆に、カメラを下へ向けていくと、垂直線が外側に傾き、 頭でっかちな映像になります。 水平面のものを撮影している場合は、 下に向けるほど正確な形になり、真上からの撮影でありのままになり、 カメラをもどしていくに従い、奥の背景が入りだして遠近感が出てきます。 この効果は、レンズの焦点距離が短い広角レンズになるほど強く現れます。 これが一般的なカメラアングルの考え方です。 そしてもうひとつの考え方として、視点としてのカメラアングルがあります。 被写体に対して、自分(撮影者)の関係、接し方、考え方をアングルによって 伝えていく手法です。 撮影者は写真には写りませんが、カメラアングルを使って撮影者の存在を 写真に写し込むのがこの撮影方法のミソです。 例えば、子供の写真を写す場合を考えてみます。 被写体は子供で、撮影者が親や大人的な関係にある場合、 カメラ位置は、子供の目の高さよりも上にきますので、 カメラアングルは、水平よりも下に向けての撮影になります。 上から見下ろすことにより、子供のかわいらしさや幼さが引き立ちます。 撮影者が子供の世界に入り、友達という関係で撮影したい場合は、 被写体の子供の目の高さ近辺にカメラを構えることになり、 カメラのアングルは水平に近くなります。 子供と対等になり、子供の世界に入ることで親近感ある写真になります。 撮影者が子供をたよれるお兄さん的な関係で撮影したい場合は、 被写体の子供の目の高さより低い位置にカメラを構えることになります。 子供のたくましさや成長、自立を感じさせる写真になります。 辻徳流のカメラアングルには、 撮影者の存在を写し込み、被写体との関係や撮影者の感受性を反映させた 画作りをするための重要な要素が秘められているのです。 「デジタルカメラを使いこなそう! Part48」 「構図はもっとも簡単なTips」 〜誰でも上達、構図のあれこれ〜 「空間とリズム」 写真を写すという作業は、3次元の世界を2次元の中で表現することで、 写真自体は平面の物質になります。 この平面の中にも空間を感じさせることができるのが写真で、 そのための手法に構図というものがあるんです。 構図には、画面の動きや奥行き感、濃淡の対比、比率などのノウハウが 詰まっており、そのツボさえおさえておけば、なんとなく格好がついてしまう そんな虎の巻のようなものでもあります。 それと同時に、 誰でも簡単に上達したように見えてしまう危険なものでもあるので、 そんな「かたち」から入る構図に陥らないよう、 本質的な構図を組めるバランス感覚を大切にしたいと思っています。 そのバランスは一人一人違いますが、それが味となり、 写真を構成する被写体をライティングやフレーミングでコーディネイトして、 色彩やトーンの重さを自分のバランスで配置することで 空間やリズムのような目に見えないものを写すことができます。 空間は主題を生かすための大切なアイテムであったり、 場合によってはその空間自体が主題となって、 被写体を脇役に従えて空気感の感覚を伝えることもあります。 その場合、リズムを組み込むことで、空間が生きてくることがあります。 ランダムな自然界の中から、ある種の法則を見出すこと、 言いかえると、規則性を見つけてバランスよく配置することで 空間とリズムが調和して写真の命が動き出すんです。 「デジタルカメラを使いこなそう! Part49」 「構図はもっとも簡単なTips」 〜誰でも上達、構図のあれこれ〜 「色とカタチのバランス感覚」 前回の締めである、ランダムな自然界の中からある種の法則を見出して バランスよく配置することで空間とリズムが調和して写真に命が生まれる。 とありましたが、ここで構図として大切なことは、 このバランスよく配置するという部分です。 実は、このバランス感覚の虎の巻が構図であり、数多く存在する 構図パターンの中から動機を表現するために構図をリンクさせるんです。 そのための構図の選び方には、正解というものはいくつもいくつも、 人の思考の数だけ存在しているものです。 話がかなり真髄に入ってきていてわかりにくくなってきたかもしれませんが 小手先技術として、簡単に言っちゃうと、 「自分の使いやすい構図を見つけてください」・・・です。 これによって、自然と自分の持ち味に気づくかもしれません。 自分のカラーを確立する手立てにもなります。 本来とは逆になりますが、 バランス感覚は、構図に助けられることもあるんです。 急所は、「色の強さと分量」、そして「まるっこい」か「とがってるか」。 これが構図を当てはめるターゲットになります。 辻徳流で言えば、このカタチを光に置き換えて硬さや重さにも気をつけてね。 「デジタルカメラを使いこなそう! Part50」 「構図はもっとも簡単なTips」 〜誰でも上達、構図のあれこれ〜 「見えない動き」 写真は日常の一瞬を固定させる手段なのですが、いろいろなテクニックで 動きを感じさせることもできます。 写真で動きを表現するには、 スローシャッターで見たまんまに動いた部分を流して躍動感を出す、 ブレを使ったものもありますが、 ここでは見えない動きを想像させる構図的な動きを とりあげてみたいと思います。 見えない動きは、とても理解しにくいのですが、 これが見えるようになれば、構図は自ずと見えてくるものです。 被写体の形や色(目に見える個性)、質量や素材(存在の個性)、 機能(役目の個性)などからくる、物質のパワーというか、 エネルギーというか、そのような力の流れる道すじとか方向みたいな、 内面的な動きというものがどんなものにも存在します。 端的でわかりやすいもので説明すると・・・ たとえば、矢を想像してみてください。 矢の進む方向は、デザイン的にもまっすぐに進行方向がわかります。 機能からくる力の進む方向が存在しているのです。 このような知識や経験に裏づけされた人間的に自然な思い込みがあるものは、 素直に利用した方がいいですね。 逆に、これを意識してアクセントをつけることにも利用できます。 絵を描くときも自然と流れに従っていることに気が付きます。 魚の絵を書くときに、しっぽの方から頭に向かって線を描くことは あまりしませんし、なんだか気持ち悪いものです。 どうです、もう気がつきましたか。 以前に別件で出てきたと思いますが、動きを表す構図も、 視線のながれと深い関係があるんです。 海では、波は押し寄せるものだといった認識が多いので、 海が上で波打ち際は下にくるのが自然な構図ですが、 シーカヤック乗りの仲間うちでは、海からの視線も兼ね備えているので、 波のイメージは、押し寄せるだけではなく、砂浜へ打ち上げていたりして、 向かうものでもあり、追われるものでもあるんです。 そして、印象に残っている好きなかたちを持っています。 すなわち、自分の構図を持っているんです。 話が半ズレしてしまいましたが、これはこれで抑えておきたいポイントです。 で、話を戻して、力の動きです。 最も実用的な、被写体が人物の場合を具体的に説明しましょうね。 モデルの形を見てみると、目が顔についていて、頭があります。 体から手や足が伸びていますので、この手足は好きなデザインにできる わけですね。 まずは腕組みをしてもらいましょう。 腕の付け根から手先に向かっての力の流れが発生していますが、 腕組みをしているおかげで、指先まで見えず 双方のながれがぶつかり合ってパワーが生かされていません。 モデルの気持ちはレンズへ向かっているので、手前に出ている腕を カメラ側に向ける方向に斜めに体を回してみます。 奥から腕が伸びてきているのが良く見える位置にします。 手前の腕からマイナスの力が発生しているので、 奥から伸びてきている腕の指先を手前に出してみてください。 これで奥から手前に向かって力の方向が発生しました。 なんとなく、そんなふうに感じるっていう程度で十分です。 撮影時に、ちょこっと意識してみると、おもしろいですよ。 「デジタルカメラを使いこなそう! Part51」 「構図はもっとも簡単なTips」 〜誰でも上達、構図のあれこれ〜 「黄金比というもの」 デザインというものは、じつは自然の中から見つけたり気づいたりする部分が 多く、ほとんど遊びから発想したものなんです。 教わったものなんて、何も身に付きゃしないし、使い方がわからない。 でも不思議なことに、自然から発想して実行しているうちに いつかどこかで聞いたようなデザイン理論がダブってくる。 そのひとつが、一般的に黄金比と言われているものによく似ていました。 35mmカメラのファインダーでの話ですが、 対角を結んだ線上に主役を配置すると気持ちいいおさまり方になるのですが、 その線の中でも正方形と交差する位置あたりがいちばん気持ちいい。 斜めの見方をすると、対角に切った直角二等辺三角形をもう一度 直角二等辺三角形に切るときの直角に交わる位置。 ・・・言葉にすると、わかりにくいなぁ。 要するに、縦と横のそれぞれ3分の一よりちょっとだけ中側です。 周りがうなっているので、妙にこの黄金比というものが気になり、 調べてみたけど、やっぱり何のことかさっぱりわからない・・・ 黄金比は、1:(1+√5)/2・・・? フィボナッチ数列・・・?? そんな数値なんてどうだっていい。要するに、気持ちいい配置のこと。 木の枝別れするタイミングの数だったり、花の形だったり、 美しい形に習って構図を組み立てるだけのこと。 自然界には実にすばらしい構図を持っているものがなんと多いことか。 そして、それを見習った人工物にも。 「デジタルカメラを使いこなそう! Part52」 「構図はもっとも簡単なTips」 〜誰でも上達、構図のあれこれ〜 「形で見るいろいろな構図」 形で見るとは言っても、メールマガジンなので文字での解説です。 今までの内容で構図についての誤解は解けていると思いますので 一般的に言われている構図について、少し触れてみます。 黄金分割、パースペクティブ(画角・遠近感)などを考慮して、 次の構図を当てはめてみます。 まずは、シンメトリックな「三角構図」 平凡ですが、安定感があり納まりがいいので、使いやすい構図。 この構図を使うときは、三角構図の中でもポイントとなる点を ひとつ置いておかないと、つまらない写真になってしまいます。 次に「水平線」のある構図。 これも平凡で広がりがありますが、この水平線の位置に工夫が必要です。 黄金比率を併用して、バランスを保ちながらアクセントを効かせてください。 「縦ライン」の構図 高さを表現するだけではなく、縦ラインの繰り返しにより 力強さ硬さの表現にも使われます。やはりどこかを崩して 視線を導くことをしなくてはなりません。 「対角線」の構図 一番よくある構図です。立体感や動きを表現しやすい。 広角になるほど効果が強く現れて、長さや奥行きを感じさせる。 「L型」の構図 水平と垂直を組み合わせた構図で、落ち着いたしっかり感が出ます。 ケースバイケースでいろいろな意味合いが加味され、 雰囲気や情を表現に盛り込みやすいけど 比率やポイントの位置をしっかりさせておかないと失敗しやすい。 「S字曲線」の構図 やわらかさややさしさを表現するのに使われますが、 時としてはダイナミックな動きで力強さを感じさせることもあります。 もちろんポイントをどこに置くかは、忘れずに。 「トンネル」の構図 極端なフレーム効果です。癖のある構図ですが、視線の誘導には 特に効果を発揮します。ぱっと見た感じでトンネル構図を感じさせない ようにして用いるのがポイントです。 「大小対比」の構図 主役の比較対象を配置することで、より主役の特徴を際立たせるように するのがこの構図です。たいていの場合、主役は手前に大きく、 脇役は主役と似たものを小さくアウトフォーカスして配置します。 すべての構図に言える事ですが、リズムを忘れずに。