11[撮影編]6 ○「画角と被写界深度のテクニック」 〜主役と脇役の関係〜   省略の重要さ、ピントはどこに、ピントの範囲、画角の効果、   フットワークを活用する、クローズアップのテク、、、 「デジタルカメラを使いこなそう! Part53」 「画角と被写界深度のテクニック」 〜主役と脇役の関係〜 「省略の重要さ」 機材は突き詰めるほど高価なものがごろごろと増えてしまう、 道具に救われることもあるという話は、撮影するための機材でのこと。 イメージを表現するためには、それに見合った道具が必要になりますので どんどんと機材が増えてしまいます。 それとは対照的に、写真画面の中身は、撮影意図がはっきりしてくるほど 単純に、シンプルになってきます。 通常の場合、カメラを向ければその見える範囲が全て写ります。 そこから不要なものを省略していく作業が、撮影テクニックになります。 省略の方法には、 ぼかしたり、小さくしたり、画面を切り取ったり、フィルターを使ったり、 つぶしたり、飛ばしたり、同化させたり、目立たなくしたり、 気づかなくさせたり、レタッチで削除したりと様々。 中でも、わかりやすい省略方法は、 「不要な背景を切り取る」と「背景を小さくする」という レンズの画角による省略方法があります。 余分なものが画面に入らないように、望遠レンズを使って 画面内をシンプルにすることと、これとは反対に 広角レンズを使って、不要な背景を視認できないくらいに小さくしてしまう といった方法があります。 そして、焦点距離と絞り値をコントロールして被写界深度を利用した ぼかしのテクニックはよく知られています。 その他には、つぶしたり、飛ばしたりと言った露光を工夫して 省略する方法も時々見られますので、気にかけながらいろんな写真を観ると 面白いと思いますよ。光を使った同化もなかなかイカシテます。 そして、構図と言うか、心理を利用して目立たないように配置させたり、 形としての同化もありです。 とにかく写真は、不要なかたちや光をいかに省略して 主役をアピールするかって事です。 ヒトの目のように、勝手に見たいものだけ見えるのなら こんな苦労は無いんですけど・・・ 「デジタルカメラを使いこなそう! Part54」 「画角と被写界深度のテクニック」 〜主役と脇役の関係〜 「ピントはどこに」 最近のカメラは、ほとんどオートフォーカスになり、ピントを意識する 機会も少なくなりましたが、だからこそ意識してピントを合わせる対象を しっかりと確認してシャッターを切ることが大切なことになってきます。 もちろん、ピントを合わせる対象は主役となる被写体なのですが、 その中でもさらにどの部分にするかも気に留めてください。 ある程度絞り込んで被写界深度に入っているだろうからと言う考えで ピンポイントになる部分をおろそかにしていると、 気持ちの上での集中力や観察する力もいい加減なものになり 被写体から発生している力というか、訴えかけているメッセージを 読み取ることができなくなってしまいます。 ぼくが考えるに、ピントを合わせるという行為は 撮影者の力と被写体のある部分との波長を合わせるような感覚です。 被写体の一部分から発生している個性を受け入れて それをどのようにクリエイトしていくのかであったり、 逆にこちらの欲求をピンポイントに集中して 反応のある部分を探していく行為であったりもします。 このような大切な作業ですので、たとえオートフォーカスであっても、 そのフォーカシングポイントをセンサーのように操って 常に被写体となるもののポイントポイントをしっかりと観察していくことが 被写体の個性やメッセージを読み取るためのヒケツだと思います。 ピントを合わせるという作業が手動だった頃は 知らず知らずのうちにこのような観察をしていたはずが、 カメラ任せにできてしまう環境になったことによって、 被写体への興味までも失ってしまったのかもしれません。 これはオートフォーカスだからカメラ任せという非常にまずい勘違いで、 カメラは指定された部分に焦点を合わせるだです。 主役は何か、主役のポイントはどこにあるのか、 それを見極めてフォーカスポイントを当てて指定してやるのは撮影者です。 「デジタルカメラを使いこなそう! Part55」 「画角と被写界深度のテクニック」 〜主役と脇役の関係〜 「ピントの範囲」 ピントっていう言葉は英語ではなく、写真用語って言うか、 写真俗語って言うか、フォーカスの合焦しているように見える部分のことで、 ある程度の範囲を持っています。 そのピントの合っているように見える範囲を被写界深度と言いますが、 最小錯乱円の関係で焦点が合っているように見える範囲ができます。 焦点距離と絞り以外にも、拡大率を考慮した受光部の面積やレンズ性能まで 影響を受けてくるのがデジタルの世界です。 一般的にはフィルムサイズが小さくなるほど被写界深度は広がるものですが、 デジタルの受光部となると、フィルムに比べてかなり小さく、 大きいものでも小型カメラのサイズまであるものは少ないのが現状です。 と言うことは、ピントの合う範囲が広いのかと言うと、それ以外の 要素でまた難しいのがデジタルです。 受光部が小さいと、プリントの拡大率がそれだけ大きくなり、 レンズ性能にも大きく影響を受けます。 少々脱線気味ですので話を戻して・・・ 撮影時にはピントを合わせます。 これに関しては前回説明したとおりで、とても重要な行為でもあります。 そしてピントにはある程度の範囲があります。 焦点距離の長い望遠レンズほどその範囲は狭くなり、 絞りを絞るほどピントの範囲は広くなります。 これは当たり前のこととしてわかってはいても、なかなか活用できている 一般の方は少ないように思います。 デジタルでは、ある程度の明るいレンズを付けている機器は値も張るので 活用しなければもったいないですよ。 せっかくズームレンズが付いているなら、遠くのものを大きく写すだけ ではなく、背景をぼかすために望遠にして遠くから撮影したり、 パースを活かすために広角にして近づいたりして撮影してみましょう。 ピントの合う範囲を操作することは、ぼかし省略の操作でもあり、 距離感と共に写真の中の空気感を操作することでもあります。 「デジタルカメラを使いこなそう! Part56」 「画角と被写界深度のテクニック」 〜主役と脇役の関係〜 「画角の効果」 主役と背景を分離させるテクニックは、望遠レンズを使って 背景をぼかすことだけではありません。 広角レンズによる遠近感の強調も効果的です。 画角はレンズの焦点距離と受光部の大きさに深く関係があります。 焦点距離は短くなるほど画角が広くなり、広範囲を写す事ができ、 長くなるほど狭くなって遠くのものを大きく写す事ができます。 受光部は、大きくなるほど画角がひろがって広範囲を写し出し、 小さくなるほどトリミングの要領で一部分だけしか写らなくなります。 受光部が小さいと拡大率が上がり、結果的に望遠風になるということです。 画角の広さをを生かして主役を分離させるには、 同じサイズの受光部ならば、レンズの焦点距離を短くして 背景を小さく扱う訳ですが、ニュアンスとしては 背景を遠ざけると言うより、主役をクローズアップする気持ちで やりすぎかなっと思うくらいに主役に接近して撮影します。 近づくほどに、主役のフロント側がクローズアップされて 側面に近い部分は省略されていきます。 これは、客観的な見方から主観的な印象が強くなるということです。 「デジタルカメラを使いこなそう! Part57」 「画角と被写界深度のテクニック」 〜主役と脇役の関係〜 「フットワークを活用する」 さてさて、前回までの画角の広さの大小による特徴がわかったところで、 この画角を使いこなすための大切な要素がもうひとつあります。 それは、前回に少し触れた被写体との距離です。 ズームレンズが付いているなら、 このズーム動作と、前に出たり後へさがったりのフットワークは 必ずセットで活用するようにしましょう。 ズームは、被写体を大きく写したり小さくしたりするだけではなく、 主役と背景の比率や視線を変える重要なテクニックに使われます。 ズームアップして焦点距離を長くすると、 被写体がそれだけ大きくなりますね。 そして、背景も大きくなり、ぼけが入ってきます。 被写体が画面からはみ出してしまうので、その分だけ後ろに下がります。 逆に、広角側へズームして焦点距離を短くすると、 被写体がどんどん小さくなっていきます。 当然、背景も小さくなっていきます。 そこで、小さくなった分だけ前に出て被写体に近づいてみても、 背景はそれほど大きくならずに、被写体が特に大きくなっていきます。 もう一度まとめてみると、 ズーミングはフットワークとセットで活用する。 そう言う事です。 「デジタルカメラを使いこなそう! Part58」 「画角と被写界深度のテクニック」 〜主役と脇役の関係〜 「クローズアップのテク」 クローズアップと言うと、マクロレンズで小さな世界を大きく写す、 そんなイメージがありますが、これって、マイクロ?マクロ?ミクロ?・・・ ニコン系ではマイクロニッコール、キヤノン系ではコンパクトマクロ。 ま、名前なんてどうでもいいけど、小さな世界を大きく写すに変わりなく このようなクローズアップする撮影には、それなりのテクがあります。 まず、近接撮影になるので、焦点の前後がぼけやすくなります。 ピントには細心の注意を払って、ピントの合う範囲をきっちりと定めて 焦点距離とそれに応じた絞り値を決定します。 当然、望遠レンズを使った方が、より背景がおおきくぼけるので 焦点を当てる主役の範囲もはっきりさせておく必要があります。 また、 広角レンズを使用する場合は、レンズが被写体に極端に接近するので ライティングの妨げにならないかの注意が必要です。 レンズやレンズフードはもちろん、撮影者自身も近づくため 被写体に影を作ってしまうかもしれません。 それから、遠近の誇張もかなりなものになるので、 見た目上のゆがみにも注意します。 さらに、わずかに動くだけでフレーミングが大きく変わるので シャッターを切る直前までしっかりとファインダーを注視します。 そして近接撮影の特徴として、ぶれやすいと言うこともいえます。 想像以上にブレやボケが出やすいので、三脚の使用をお勧めします。 クローズアップの撮影には、普段見えないものが見えてくる 大変おもしろい世界を体験できますので、やみ付きになるかもしれません。 世界が違うって、こんなところでも経験できるものです。