3F 知恵と知識の間

[連載] 入力の知恵・画像の知識 フラットベッドスキャナーを使いこなそう! Part2 ■「できる」と「便える」 いままで、安いフラットベッドは  (といっても最低600ppi.各色10ビット入力、できれば  1000〜1200ppi、各色12ビット入力、3.0D以上) ハイエンドスキャナに追れるかどうかいろいろと実験してまいりましたが、 結論から言えば、反射原稿は「使える」、透過原稿は「できる」 ということがわかりました。 しかし「できる」と「使える」は違います。 簡単に言えば「便える」は、それで商売になりお金をいただけるレベルで、 「できる」は、パーソナルユース向けであって 商売にはならないというレベルだと言っておきます。 いずれにせよ、正しい知識を持っていれば、 そしてハイエンド並みの生産性を期待しなければ、 デスクトップスキャナは画像そのものを売買するビジネスの世界に 導入できるレベルに性能が良くなってきています。 しかも、価格は充分に安価に、(^.^)で。 ■限界を知って長所を生かした使い方をする。 普及型デスクトップスキャナの限界を知り、限界の範囲内で 便いこなすためには、大別すると二つの重要なポイントがある。 「スキヤン解像度」と「ハイライトとシャドウの再現能力」がそうです。 「スキヤン解像度」は比較的理解しやすいと思います。 いま自分が使っているスキャナーのCCDの数を知っていますか。 フラットベッドスキャナーのほとんどがラインセンサーの方式をとって いますので、A4サイズの場合、センサーの長さが約8インチとちょっと になりますから、光学解像度(ドライバーソフトによる目伸ばしを する前のハード本来のCCDセンサーの密度)が600ppiの場合 1インチに600のCCDがならんでいますので、 600×8とちょっと=約5000ピクセルのCCDが 並んでいることになります。 光学解像度の正数分の一で取り込むのが画像劣化をおさえる 第一歩であることを覚えておいてください。 後処理のしかたによってそうとは言い切れないケースもありますが。 「ハイライトとシャドウの再現能力」は、ちょっとわかりにくいかも しれませんが、「濃度レンジ」とかいう表現が使われています。 3.1Dとか、3.3Dとかこのように書いてあると思います。 スキャナーのセンサーのラチチュードのことです。 ノイズなどを拾わずにどれだけ暗い所から明るい部分まで読み取る ことができるか、その範囲のことです。 そして、読み取るときに何段階に分けて読み取るか その階調の数が入力ビット数です。 1色につき256階調なら各色8ビット。ということになります。 最近の主流は30ビット(各色10ビット)から36ビット (各色12ビット)になってきています。 次回からはこのことについて説明しながら、どうすれば奇麗にスキャニングが できるのかを具体的にすすめていきます。 来月はとりあえず解像度にかんすることから。
                
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