117F 特集ルーム

「最近のモニターディスプレイ」 デジタル写真を扱う上で、重要なのがモニターディスプレイ。 撮影した画像をこのモニターディスプレイを通して確認し、 色補正を加えながら現像処理を行う。 当然、このときモニターディスプレイで画像を見て現像を行っているので、 モニターディスプレイの色がずれていれば、出来上がる画像も 基準からずれてくることになる。 これを解消するために、モニターディスプレイのキャリブレーションを きっちりと行って、色の偏りを少なくしておく必要がある。 そして画像の濃度も気にしなくてはならない。 僕が普段、現像処理に使っているモニターディスプレイは、 画面の広さと色の安定度、そして調整項目の多さから、 パソコン用の物ではなく、42インチのフルHD液晶テレビを使っている。 具体的にいうと、シャープのアクオスをモニターに使っているのです。 DVI接続してdot by dotで1125p(60Hz)表示させているので、 使い勝手は申し分ない。 そしてほかのパソコンも、処理内容に応じて使い分ける形で、 普段のよろず処理に使っているパソコンは、 モニターディスプレイを2台並べて、19インチのVAパネルを使ったものを デュアルにして使っている。 そのサブ機も19インチのVAパネルを使ったものをシングルで使っている。 さてさて、なぜVAパネルなのかと言うと、見る位置が多少変わっても 色調の変化が少ないからなのです。 欲を言えば、IPSパネルなのですが、ちょっと数をそろえるには高いし、 現像処理や色を厳密に調整する時には、テレビを使っているからです。 このテレビはばかにできないんです。視野角も広く、色変異も少ない。 そして何より調整項目がやたらと細かいところまで手が届く。 通常のモニターディスプレイでは、色温度やRGBの各ゲインやガンマ程度 ですが、このテレビでは、RGBCMYの各色の色相・彩度・明度まで 細かく調整できます。 残念なことに、最近では店頭に並んでいるモニターディスプレイを 機会があるごとにチェックしているのですが、ほとんどTNパネル。 上下の角度で大きく濃度が変わってしまうモニターディスプレイです。 忠実な色再現よりも、応答速度やメリハリの綺麗さが優先されるのです。 僕らにとっては、機材の選定に苦しい時代になってしまったようです。
                
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